人間関係も都合よく断捨離しようと思っていました
「いい加減にしてほしい」
「どうしてそう取るかな?」
「しばらく関わりたくない」
若い頃の私は、身近にいる相手だけでなく、たまたま居合わせた見知らぬ人に対してまで、こんな気持ちを抱いてしまうことがありました。
間違った正義感を背中にしょって生きていたんです。
自分もそう思わせる行動を取っているかもしれない、とはなかなか思えず、相手にばかり「正して欲しい」などと望んでいた大馬鹿者でした。
こんな私が対人関係での悩みを解決するために取った手段が、「良いところ探し」です。
無理やりにでも、相手と一緒に経験した良かった出来事や言葉そのものを具体的に思い出すようにしていたら、だんだんと楽になっていきました。今日はその過程について書きます。
お客様の言葉こそが正解
相手にばかりわかってほしいなどと思っていた私も、社会に出てから少しずつ変わっていきました。
自分が考えを変えない限りどうにもならないことが世の中にはこんなにたくさんあると、思い知ったからです。
お預かりしたお金を運用して仕事をさせてもらっていたので、それはもう切実でした。
「そんなこと頼んでいない」
「この時間に連絡をするなとあれほど言ったはずだ」
お客様の言葉こそ正しいのです。
自分が、負の感情をそのまま押さえこむと後で爆発させてしまう性格の持ち主だと知ったのも、仕事をしていた頃でした。
このことで、同期の仲間や家族に、さんざん迷惑をかけてしまいました。
性格を変えるのは簡単じゃありません。今でもこの時のことを思い出すと申し訳なさでいっぱいになります。
相手の良いところを見つける癖をつける
父や母、先生や友人、上司や取引先、夫や子ども、その他大勢の「相手」
してもらった良いこと、嬉しかったひと言、ともに経験した内容、その人の家族などを思い浮かべる習慣をつけてみようと考えました。
負の感情で抑え込むやり方はとても疲れます。
ならば逆の方向から考えてみようと思ったんです。
きれいごとではありません。ギブ&テイクとも、ちょっと違うんです。
良いところを思い出すとね、胸の中でぱっと広がった黒い感情が薄まるんです。
最初は時間がかかりましたけど、だんだん慣れていきました。
相手が先生の時は、「助詞の使い方のセンスが悪いといつも叱られていたけど、褒めてくれた一行もあった」
上司の時は、「愛想が悪いのを直せとよく指摘されたけど、ノルマを達成した時は手放しで喜んでくれた」
友人の時は、「いじめられたときに助けてくれた。言いにくいことを言ってくれるのもこの子だけだ」
子供の時は、「怒りながら作った料理でも無我夢中で食べてた。もう、生きててくれるだけでいい」
初対面なら、「この人にも家族がいるんだ。」と考えるようにすると、気持ちが落ち着くようになりました。
すぐにこう変わったわけではありません。
でも、良いところを思い出したり探したりする方が、しんどい気持ちのままいるよりラクになれるというのを、何回も繰り返すうちにわかるようになりました。
なんだかギクシャクする。こんな関係、解消できないかな。
そう思った時、ちょっと深呼吸して、相手の良いところを思い出してみる。後ろにいる家族を想像してみる。
そんなに簡単にはいかないかもしれませんけど、しんどい思いをしておられる方にはいちど試してみて欲しいです。
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