先日私は、誕生日を迎えました。5月は、娘の誕生日があったり、息子の命日があったりで、毎年いつもと違う心の揺れを感じます。
一気に暑くなっていくこの時期は体調も例年良くなくて、しんどいです。だから私は、春が一年で一番苦手です。
でも、新緑が昨日の雨に濡れて輝く今日のような日は、気分がシャキッとしています。
今日は、NHK「プロフェッショナル」を観て思う遺品整理の罪悪感の消し方について、私が実際にやってきたことを書きます。
関連記事NHK『プロフェッショナル』を観て、遺品の扱いについて思い出したこと、今していること
ゆうべはNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』を観ました。
納棺師である木村光希さんの仕事への向き合い方について紹介された内容でした。
おしゃれが大好きだったお母さんを最後はきれいな姿で送りたい。果たせなかった親孝行をしたい。
そんなご家族たちの納棺までの心の動きも、ていねいに描かれていました。
重い知的障害を持っていた息子が亡くなり、納棺してもらったのもちょうど5月の今頃でした。だから、引き込まれるように番組を観ました。
ありありと思い出しました。
棺におさめられた息子と私たち家族を交互に見ながら、「息子さんが一番好きだったものを、一緒に収めてあげて下さい」と言われたこと。
夫が「これです」と差し出したのが、息子の大のお気に入りだったコアラのぬいぐるみだったこと。
それをそっと、息子の顔の横に置いて下さったこと。
本当は、私はそのぬいぐるみを残しておきたくて、棺に入れてほしくなかったこと。それを言えなかったこと。

(亡くなったあと息子のおもちゃを徐々に整理していた時の画像です。これは海外へ寄付している団体へ送りました)
あれから6年経ちました。
今は、息子の一番のお気に入りを棺におさめてもらって良かったと、心から思っています。
遺品整理の目的をはっきりさせると、罪悪感は減っていく
遺品を整理するのは苦しいです。
すべてを残しておこうとはじめは思っていましたし、そうしてきましたが、ライフスタイルの変化や自分の老いを感じるようになったこの1,2年は、意識して捨てたり寄付をしたりして、減らしてきました。
●息子の部屋を娘たち家族が帰ってきたとき泊まる部屋に。初孫と娘の里帰りのとき使う部屋にする、という目的がはっきりした
●遺品の手入れが、体力的に年々しんどくなってきた
●思い出のものであっても、それら全てを置いておけば、いずれ娘一人に負担をかけるのは目に見えている
私が案じている娘の負担とは、物理的経済的なことよりも、心理的な負担です。
罪悪感はまだありますが、遺品を減らしていく理由や目的がはっきりしてきたので、私たち夫婦は息子のものの整理をもう一度やり直しているところです。

年に2回ていど、タンスから息子のものを全て出して広げたり、風にあてたりしています。これもだんだん、しんどくなってきました。
手放してよかったと思える本当の理由
息子の一番のお気に入りがもう残っていなくても、思い出の品ものは他にたくさんあります。
よく言われているように、「もの」がなくても亡くなった家族を思い出せるというのも確かなのだと、この6年でわかるようになりました。
また、先に書いたように、まだまだたくさんある遺品を、私たち夫婦が元気で判断力もあるうちにもっと減らしていこうという思いもあります。
でも、棺に息子1番のお気に入りの黄色いコアラを入れてもらって良かったという本当の理由は、別のところにあります。
もしあの黄色いコアラのぬいぐるみが私の手元に残っていたら、あまりにも息子の存在を強く感じすぎて、いつまでも苦しかったろうということ。
このように、ものを手放してだいぶ経ってから納得できる場合も多いです。
罪悪感はそのつど変化していくし、いつまでも心に残って苦しむとは限りません。大丈夫です。

物も時間も活かす片付け
「死が、人を生かす」
ゆうべのNHKの番組『プロフェッショナル』のなかで出ていた言葉です。
私にはまだそこまでは思えませんが、物を介して気づかされることが多いのは確かだという実感はあります。
息子の死をきっかけに、家じゅうの大片付けをはじめて6年経ちました。
物を活かす。時間を活かす。
今の私が、この先の片付けで常に意識していたいのはこの2つになりました。
5月もあと少し。体調はイマイチですが、今日もぼちぼち頑張ります!
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