今日は、息子と私と鯉のぼりにまつわる思い出を整理したことと、そうしようと思った理由について『毎日が発見ネット』のコラムに書いたことをご報告します。
毎日が発見ネットのコラムはこちら。ぜひごらんください。
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「亡き息子との思い出を整理。『過去を生きる』のをやめるためにはじめたこと/原田さよ」
鯉のぼりを寄付
私の息子は重度の知的障害を持っていました。その子が亡くなったのが、5年前の5月でした。
数日前、両親が息子に買ってくれた鯉のぼりを、
高槻市の「こいのぼりフェスタ1000」宛に送りました。寄付をさせてもらったのです。
別居してから一度も出すことのなかった鯉のぼりを、これからもずっと置いておけば、娘に管理を任さねばならない物になってしまう。
もし私が娘の立場なら、母親の私がなかなか手放せなかったものをどうするか、きっと迷うと思いました。
だから少しずつでも、整理していきたいと。
ですが、手放したい理由は娘のためだけではありませんでした。
過去にとらわれている自分を変えたかった
「毎日が発見ネット」のコラムに書いたように、同居していたころの「鯉のぼりと息子と私の苦い思い出」は、息子が生きている時からずっと重荷でした。
田んぼが広がる地方に住んでいますので、まだ家の庭に大きな鯉のぼりをあげているお宅をよく見かけるのですが、私はそれを見るたび当時を思い出して苦しくなってしまうのです。

だからといって、わが家の押入れに眠る鯉のぼりを処分してしまうなんて、はじめはなかなか考えられませんでした。
親に対して申し訳ない気持ちもありましたし、自分だけがラクになるようで、嫌だったのです。
でも、そんな自分をまるごと認め、鯉のぼりは手放しました。
夫も娘も、私が息子のものをどうするかを決めさせてくれます。それを負担だと思わず、素直に受け取ろうと思うようになったことも、鯉のぼりを手放す気持ちを後押ししました。
こんな記事も書きました→
「雛人形を処分。人形供養、娘と私がそう決めた理由」自分で出来るうちに片付けていく
息子のものを手放していくことに対する罪悪感や寂しさは、これからもずっと消えることはないと思っています。でも、整理していかねばならないものは、たくさん残っています。
ではどうすればいいか。答えは1つです。
悔いが残らないよう、自分で決めて、自分で出来るうちに、片付けていく。

鯉のぼりを送ろうと決めてすぐ、高槻の「こいのぼりフェスタ1000」を管理しているところへ電話しました。
市民ではなくても寄付ができるか、今からでも寄付を受け付けてくれるかなどを尋ねたかったのもあるのですが、管理して下さる人と話してみたいという気持ちもありました。
係りの女性の方は丁寧に答えてくださいました。
その優しい声に安心し、私は夫と二人で25年ぶりに鯉のぼりを箱から出しました。
今年のゴールデンウィークに間に合うかどうかわかりませんが、あちらで多くの鯉のぼりと一緒に預かってもらえると思うだけで、心が温かくなりました。

過去・現在・未来。みなさんは、どれを大切になさいますか。
大切なものとそうでないものの線引きは、どこでしていますか。
最近私は、家の片付けをしながら、それまで漠然としか考えていなかった「自分がいなくなったあとのこと」を、具体的にイメージするようになりました。
これは決して早すぎることではないと思うようになったのです。
ブログ村テーマ50代を考え暮らす捨てても、大丈夫だったもの20歳以上の子どもを持つ親のつぶやき50代からの片付け・収納・家事コラム連載
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