「片付けられない、物を捨てない60代の義父母との同居をひかえ、気が重いです」というメッセージを先日いただきました。
返信をさしあげたところ、気持ちが落ち着きましたと言ってくださったのですが、同じような悩みを抱えている人もおられるかもしれないと思ったので、私の考えをもう少しまとめて書いてみます。長くなりましたが、よかったらおつきあいください。
~本日の目次~・「片付けられない義父母との同居を控え、気が重いです」
・私(原田さよ)の三世代~四世代の同居生活。
・義父母さんたちがなぜ片付けられないでいるのか、考えてみる
・話し合ってみよう
・同居のメリットを考えて気持ちをラクにしてみる

「片付けられない義父母との同居を控え、気が重いです」
メッセージの差出人は、みそさん。1歳のお子さんを育てている専業主婦のかたで、来年にはご主人の実家で同居をはじめられるそうです。
原田さよ様
突然のメールで失礼します。みそと申します。数ヵ月前からブログを拝見しています。
私は30代後半の専業主婦です。1才児を育てながら少しずつですが断捨離をしています。
停滞する度にさよさんのブログに力をもらいながら何とか進んでいるように感じます。ありがとうございます。
現在夫の実家をリフォームしており来年には同居が始まります。
義理の父と母(60代)はとても優しく良くしてくださるのですが、やはり同居となると気が重いです。
夫の家族はおおらかな性格もあり、家中に(家の外にも!?)ものが溢れ片付けられない人達なのです。
新婚当初は泊まりに行く度に物置やらごみ置き場を片付けていたのですが、すぐに元通りで、それが原因で夫婦喧嘩をしていたくらいです。
(ブログを読ませていただいた今なら、あんな片付けは無駄なことだと分かるのですが当時は必死でした)
私自身、そんなにきれいに片付いた暮らしをしているわけではないのですが、夫の実家では、いつも探し物、至るところに物が置きっぱなしでイライラしていました。
さらには今は小さな子がいるので誤飲しないか心配で仕方ないのです。
同居するに当たり、話し合った方がいいのか、嫁の立場上、なにも言わずに我慢すべきなのか…。
言ったところでどうにもならないだろうし、言わない方がいいと分かっているのですがモヤモヤしているのです。
私は私で片付ける暮らしをして、いずれもし分かってもらえたらラッキーくらいに思うのがいいのかなぁと。
ほとんど愚痴のようなメールですみません。きっと同居したら爆発するだろうなと不安で…。
同居もされたことのあるさよさんならどうされるかなとふと思ってメールしてしまいました。
日に日に寒くなってきました。ブログ記事にお忙しくされている様子がありましたので、体調崩されませんようご自愛ください。これからもブログ、楽しみにしています。
みそさん、メッセージありがとうございます。メッセージに対して私の考えを書く前に、少しだけ自分自身の同居生活をふり返ります。
私は今、断捨離で物の少ない暮らしをしています。でも、片付けが苦手なことを隠したまま結婚・同居をはじめた29年前を思うと、お義母さんのお気持ちも、今のみそさんのお気持ちも、わかる気がするのです。
”50代からの片付け・収納・家事”というテーマも作りましたので、こちらの記事も参考にどうぞ。
ブログ村テーマ
50代からの片付け・収納・家事 私(原田さよ)の三世代~四世代の同居生活
私の同居経験が短かかったことをご存知のうえでメッセージをくださったのが嬉しかったというのを、まずお伝えしておきます。ありがとうございます。
片付け下手の嫁(私)と片付け上手で捨て上手な姑、働きもので頭の良い大姑
同居をはじめたとき私は26歳。姑は53歳で、今の私よりも年が下でした。
きれい好きの片付け上手、物にも執着しない捨て上手な姑に対し、出来ない嫁の私がオロオロしていたという状況。だから、みそさん達と立場は逆かもしれません。
でも、息子が生まれるまでの数ヶ月は、大姑・姑・私の3人の女性が家にいるという状態でしたので、気を遣いあうしんどさはわかります。
当時は携帯電話もなかったため、夫の帰宅を心待ちにしていたのを覚えています。

生きてきた年月、暮らしてきた環境、性格・・・違いは、あげればきりがありません。思い出すのも辛いくらい封印してしまいたいことを、今も抱えています。
でも、いいこともありました。たくさん。
義父母さんたちがなぜ片付けられないでいるのか、考えてみる
片付けられない理由≠捨てられない理由
そもそも、義父母さんたちはなぜ片付けようとされないのでしょうか。物が多過ぎることも、片付いている方がいいことも、きっとわかっておられると思うのです。
それでもやろうとしない理由があるはず。

たとえば、冷蔵庫に賞味期限切れの食品があるのを見つけたとします。みそさんも今の私も、それを処分するでしょう。
でも義母さんは、「火を入れれば大丈夫。私があとで食べる」「食べられるのに捨てるなんて、もったいない」と考えておられるのかもしれません。
物置に、空のお菓子の缶や段ボールがゴロゴロあるとします。「これ、何に使うつもりなんだろう」とこちらは思うけれど、義父さんは趣味の道具を分けて入れ、大事にしまうつもりで置いているのかもしれません。
「だったら、すぐにやってください」と言わないほうがいいのは、私にもみそさんにも想像できます。
つまり、一見ゴミに見えるようなモノでも、取っておく意味がご本人にはあるかもしれないということなのです。
片付けがめんどうだからしない、というのもあるかもしれませんが、理由はそれだけではないと思います。
世代の違いだけで片付けが得意か苦手かということを区別するのは難しい
先に書いた「火を入れれば大丈夫だから後で食べる」も、「趣味の物をしまうためにお菓子の空き缶を置いていた」のも、かつての私の話です。
私は今だからこそ、片付けられなかった理由も、何からはじめればいいかも、言えるようになりました。
でも散らかった部屋の中で子どもを追いかけ回していた頃は、探し物が多くても、どうしたらよいか本当にわかりませんでした。また、それを誰にどうたずねればいいかも考えられませんでした。
年齢や世代の違いだけで、片付けが得意か苦手かというのを区切るのは難しいです。
そういう意味でも、義父母さんたちは、当時の私と似たような気持ちでおられるかもしれないと思いました。
話し合おう
不安に思うことを整理する
メッセージのなかから、心配しておられることを抜き出すとこうなります。
①物置やらごみ置き場を片付けてもすぐに元通りで、それが原因で夫婦喧嘩をしていた。
②夫の実家では、いつも探し物、至るところに物が置きっぱなしでイライラしていた。
③今は小さな子がいるので誤飲しないか心配で仕方ない。
④同居するにあたり、話し合った方がいいのか、嫁の立場上、なにも言わずに我慢すべきなのか…。
⑤言ったところでどうにもならないだろうし、言わない方がいいと分かっているがモヤモヤしている。
相手の気持ちを探る
もし今の私がみそさんのお姑さんの立場にたったなら
、「片付けた方がいいのはわかっているけれど、しんどいし、どうすれば上手く片付けられるかも考えられない。だから、できれば一緒に片付けたり、片付け方を教えてほしい」と頼みます。
と、ここに書くのは簡単。
実際は私にも小さいなりにプライドがあるし、言葉は変えるかもしれません。でも、言わないままでいることはありません。
同居していた頃、いちばんしんどかったのは、言いたいことを言えないし、向こうが何を考えているかもわからないということだったからです。

義父母さんたちが家の外にモノを置いてしまうのは、家の中に置くよりは邪魔にならないと思っているからかもしれません。
せっかく息子夫婦が片付けてくれたのに、また物置の中をいっぱいにしてしまうのも、
捨て方や捨てるタイミングがわからず、そうしてしまったのかもしれません。
私にも覚えのあることです。
心の中では片付けたいと思っているのです。でも、すぐに出来ない。義父母さんたちも、もしかしたらそうなんじゃないかと思いました。
腹を割って話す
誤飲の心配についても、
お孫さんのためだと言えば、動いて下さるのではないでしょうか。
メッセージを拝見したとき、義父母さんたちが優しくておおらかな方だから、片付けの話を持ち掛けてみても大丈夫なのでは?と思いました。と同時に、みそさんも優しくて賢い方だから、話し合っても険悪な雰囲気にはならないだろうとも。
私には今も、もっと素直に率直に話し合えていたら、未来は変わっていたはずだという気持ちがあります。
みそさん達には、そんな気持ちが残らないよう願っています。
ぜひ、
腹を割って話し合ってみてください。おおらかで優しい義父母さんたちとなら、最初はしんどくても、わかりあえるのではないでしょうか。
●片付けた方が、孫にとって安全だということ。
●片付けた方が、探し物をしなくてすむようになること。
●モノが少ない方が、同じ商品を買ってしまうなどの経済的な損もしなくてすむようになること。
などの、片付けたことで得られる良いこと(効果)を、話のなかに自然に入れられると良いですね。
同居のメリットを考えて気持ちをラクにしてみる
あとから気づいた同居のメリット
私たち家族は、同居から別居に至り、ラクになったことがたくさんありました。でも、同居していたからこそできたこと(メリット)もたくさんあったと、別居してから気付きました。
家計の面でも助けてもらっていたし、私の体調が悪いときは子供を預かって家事をしてくれたりもしました。
そのほかにも、息子をあずけて銀行やスーパーや美容院へ行けたり、一人でお風呂に入れる日があったり、夫の好物の作り方を教えてもらえたり・・・と、数えればきりがありません。
子育てに対する価値観は違っていたけれど、広々とした庭や畑があったので、子どもたちは伸び伸びとそこで遊ぶことができました。
私がこの年齢になったからこそわかることかもしれません。ですが、みそさんご一家にも、
同居することによって起こる良いことがきっとたくさんあると思うのです。
子育てや家事で意見が食い違うときは
子育てや家事のやり方で意見が違って辛いときは、少しだけ距離を置いて、メッセージにも書いて下さっているような義父母さんの長所を思い出してみてください。
●義理の父と母(60代)はとても優しく良くしてくださる
●夫の家族はおおらかな性格
良い言葉をつかう

片付けが苦手な人は「○○しないと、△△になってしまうよ」と言われるより、「○○すれば、◇◇な良いことがあるよ」と言ってもらう方がやる気が出ます!
良い言葉で考え、良いことをさがす。
これは私が、片付けに行き詰まるたび思い出していることです。
みそさんご家族と義父母さん達の新しい暮らしが、うまくいくよう願っています。
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