人と比べないでいることができたら、それに越したことはありません。でも、比べる自分を否定する必要もないと、今は思っています。
シンプルに考えて、そのときどきに出来ることをまじめにやっていれば、悪い結果は招きません。
いつもいつもベストじゃなくてもいいと思えるようになってから、私はラクになりました。

「人から良く思われたい」「人から否定されたくない」、この二つは似ていますが違います。
私には両方の気持ちがいつもあり、先に考えるのは必ず、「否定されたくない」のほうです。OL時代も、結婚して親になりこの家を買ってからも、変わりませんでした。
家と、理想の暮らしと
゛平均から落ちこぼれない暮らし″ ゛恥ずかしくない暮らし″私の目指してきた暮らしは、このように、自分以外の人やモノに軸をおいたものでした。
片づけをはじめた2013年の終わりごろも、まだこの気持ちを捨て切れていませんでしたが、片づけているうちに少しずつ変わってきました。
もう、他人を軸にした理想を追うのは、やめます。
不安を手放す
外の物置にしまっていた30個ほどの大小さまざまな形のプランター、花の土、肥料、スコップなどの道具をやっと処分しました。
これでまた一つ、人と同じでないと不安だった自分の象徴となるものを、捨てることができました。

「不安を手放す」、何が不安だったかというと、ご近所と同じようにしていないと不安だったのです。
この家に引っ越してきた頃、ベランダや玄関先に置いたプランターなどで、たくさんの種類の花を育てていました。寄せ植えが流行っていましたので、色々な小物も購入しました。
当時はご近所のどの御宅もされていて、住宅地内の道路や門のあたりに、色とりどりの花がズラッと並んでいたのです。
だから、「我が家もやってみよう」と。
楽しくないことは、長くは続けられない
家はまだまっさら。花も綺麗にしておかなきゃと、世話には力を入れました。
ご近所がみなそうだから、という動機ではありましたが、まだまだ家を買ったばかりの頃はやる気に満ち溢れていたのだと思います。
「綺麗に咲かせているわね」と言われると嬉しかったから、また少しずつ工夫をして、上手く咲かすことが出来るようになっていきました。
手をかければ美しく咲いてくれる。褒めてもらえる。
それだけで数年は頑張れました。でも、だんだん数を減らし、最後はもう一鉢もやらなくなりました。
「美しく咲かせることだけ」に夢中になっていて、楽しくなくなっていると気づいたからです。
楽しくないことは、そう長くは続けられない。
花は好きですが、育てるよりも、活けるほうが慣れていました。なにより、周りがやっているから自分も、という理由だけでは続ける気持ちをずっと後押しすることはできなかったのだと思います。
モノよりコト、他人より自分
多くの人が好むことではなく、自分が好きなことをしないと、いくら上手くいっていても楽しくないし続かない。
この時ほど、強く感じたことはありませんでした。
もうこの家も私も古くなりましたけど、帰り道、見えてきただけでホッとするような家にすることは、まだ諦めずにいたいです。
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