思い出はいつも触れられる場所に◆亡くなった息子の誕生日でした。

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息子は最重度の自閉症で、23歳で亡くなりました。
入所施設へ移ってから1年経っていませんでしたが、経過した時間を実感できない時がまだあります。


迎えて苦しいのは、命日よりも誕生日。
続く毎日のうちの一日に過ぎないんだけれど、近づくにつれ感情的になる瞬間が増えていきます。


今年のその日は、深夜になり、息子の好きだったあのオルゴールを回して鳴らしてみました。
このテーブルのすぐ脇にあるチェストに飾ってあるんです。
そこには本人が好きだった絵本・写真・積木と、このオルゴールを置いています。


何か月かかかって家の中を片付け場所を確保できたこと。
それに伴い気持ちが落ち着いてきたことで、いつも目につくところに置いておけるようになりました。
そこにあるだけで息子の気配を感じられるし、強く思い出したい時は触れてみることにしています。


そのすぐ隣には、娘に最初に履かせた小さな靴下を置いています。私が作ったものです。
ワイヤーバスケットの中に、くるりとリボンで巻いて。4歳の頃にくれた手紙も一緒に。


子供たちの思い出の品は、そう沢山は要りません。
印象的なものが一つ二つあれば十分。
大切にしまい込んでおくより触れていつでも思い出せるようにしておくことの方が、私には意味があると考えるようになりました。


娘が帰省すると、いつも仏壇とそのチェストの上に何かを供えてくれます。
その時これらを手に取りあって、一言二言ことばを交わします。
遠く懐かしい過去へ私たちを誘ってくれる、幸せな時間です。


亡くなる前からこういう場所を作っていたら、私はもっと子供たちにやさしく接することができたかも知れない。
あれほど自分を憎まずに済んだかもしれない。
そんなことを思いながら、オルゴールを鳴らしました。


思い出はいつも触れられる場所に置いてみる。きちんと整えなくてもいいと思うんです。
それを見れば落ち着くという物は、ある程度は数を絞れるんじゃないでしょうか。
子育てや家族関係に悩みを抱えている人にも、おすすめしたいです。
 


書籍を出版いたしました。モノも迷いも手放して暮らしをラクに。

原田さよ

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