片付けられない母が、この言葉で片付ける気になってくれた

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年明け、老人ホーム内で大腿骨を骨折。手術の後、母はリハビリに精を出してきました。

手術から約3か月の今、なんと杖をつくのを忘れるぐらいすたすたと歩けるようになってきています!この回復ぶりには驚くばかり。リハビリ専門の病院へ転院したことが良かったのだと喜んでいます。

今日は、そんな母が一人暮らしをまだ元気にしていた頃の片付けのエピソードをご紹介します。過去記事に加筆しての更新です。

目次
親の家の片付け。言わないほうが上手くいく言葉
親の家の片付けより先に、自分の家の片付けを終えよう
親とそのものとの思い出に、耳を傾ける
本当はどうしたいかを、親本人に気付いてもらえるような言葉をかける
終わりに


「片付けたい、片付けたい」と訴えるわりには片付けられなかった母が、言葉かけを変えたことで前向きにものを手放してくれました。次のようなことに気をつけたら、うまく行きました。

●親と、その物との思い出に、耳を傾ける
●本当はどうしたいか、親本人に気付いてもらえるような言葉がけをする

親の家の片付け2021年5月 (4)

親の家の片付け。言わないほうが上手くいく言葉


親の家の片付けを親と一緒にするとき、言わないほうが上手くいく言葉というのがあります。


「これ、要るの?何に使うの?」

「なんでこんなに物が多いの」

「もう捨てようよ」


私も昔は言ってしまっていました。これがかえって親のやる気を削いでしまうとも知らず、自分の気持ちだけを押し付けて。

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母は、ものすごく物をためこむタイプの人ではありません。廊下も居間も寝室も、年齢のわりにはきれいに整頓されている方だと思います。

ただ、納戸や押入れやタンスのなかは奥に何があるのかもうわからない状態で、ほしいものをすぐ出せないときがあるようでした。それはキッチンでも仕事部屋でも同じでした。

だから本人も、なんとかしたい、片付けたいと思っていたのでしょう。
 

親に付きあうのはしんどいが、慣れてくると効果のほうに目がいく


「こんなもの残しておいてどうするの?」

私自身が、もしこんな言葉を言われたら辛いです。これは、親のほうも同じ。本人は「片付けたい」と思っているので、寄り添うのがベターです。

こちらは忍耐力がいりますが、慣れてくると、効果のほうに目がいきます。効果とは、母がものを手放す気になってくれるという効果です。



親の家の片付けより先に、自分の家の片付けを終えよう


生前整理の考え方では、親の家の片付けより先に、自分の家の片付けを終えなさいというのがあります。

自分の物を片付けると、親ににどう働きかければ伝わりやすいかというのもわかってきます。



親とそのものとの思い出に、耳を傾ける


実家の片付けでは、た~くさん出すだけ出して一つずつ確かめても、母は結局ほとんどのものを元に戻していました。


「ごめんね、おねえちゃん(私のことです)、やっぱりこれは捨てられないわ。残しておいても仕方ないってわかってるんだけど」

「これはおとうさんが○○していたときの」

「こっちは○○おばさんがくれたもの」

「これ、みんなで旅行に行ったときのね。おねえちゃん、覚えてる?」


一つ一つを手にとりながら話す母の言葉を、私は相づちをうちながら聞きました。

結局はほとんどのものを元に戻すことになりましたが、私はもうそれでいいと思っていました。少しでも片付いたわけだし、母が嬉しそうだったし。

安全な家でさえあればじゅうぶんです。これは妹も弟も、同じ考えです。



本当はどうしたいかを、親本人に気付いてもらえるような言葉をかける


今日はここまでにしようよと私が言ったとき、母が2足の靴を両手に持ってぽつんとひとこと言いました。一足は黒でヒールが5cmくらいあるパンプス。もう一足はウオーキングシューズでした。



「あとどのくらい生きられるかわからないのに、私は馬鹿ね」と母。

あわてて私は母の言葉を遮り、次のように言ってみました。



「どっちの靴が好き?」

「ヒールの高い靴はとても綺麗だけど、こけたら怪我をするから心配だな~」

「どちらかを残すなら、散歩でもはけるそっちの靴がいいかもね。それを履いて歩いてくれると嬉しいな~」



私の言葉は、母に届いたようでした。母は、ヒールの高い黒いパンプスのほうを手放すと言ったのです。

「そんな靴、お母さんが危ないから」というのももちろんいいと思います。

ですが、「私がそうしてくれると安心だから」「嬉しいから」という声掛けが良かったみたいです。

●捨てるものを探すのではなく、好きなものを探してもらう
●親の立場で考えてもらえるよう促す(娘が安心するなら、喜ぶならと)


親の家の片付け 玄関 イメージ

終わりに


いつまでこれが通用するかわかりません。母の認知症の状態もゆるやかにすすんでいますので。

でも、母の思いにできるかぎり寄り添いながら、親の家の片付けをすすめていきたいと思っています。それが私自身のためにもなると信じて。



ここまでが、2021年の10月に書いた記事を編集した部分です。その月、たくさんの人に読んで頂いた記事でした。

今の母は、実家のことはもう言わないそうです(言語聴覚士をしている妹が、よく様子を見に行ってくれています)。

でも、歩けるようになるとは思っていなかったですし、今も新聞は読んでいるそうなので、安心です。

母が頑張っているから、私も頑張ろう。そんなふうに思いながら過去記事に加筆し、編集しました。お付き合いいただきありがとうございます。

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原田さよ

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